なんと、アニメ制作会社のProduction I.Gが、クラウドファンディングのKickstarterで、オリジナルアニメ制作の為に出資者を募集していました。
Production I.GとKickstarter
Production I.Gといえば、「輪廻のラグランジェ」や「未来日記」、そして以前、当ブログでも紹介しました、「ROBOTICS;NOTES」等を制作してきた有名なアニメ制作会社です。
「テイルズシリーズ」のアニメーション制作なども、初代の頃から全てここが制作しています。
なので、アニメやゲーム好きの間では結構名の知れた制作会社といっても過言ではないでしょう。
一方、Kickstarterといえば、最近流行りのクラウドファンディングで有名になったアメリカのWebサービスです。
クラウドファンディングとは、製品開発やアイデアを実現したい人等が、実現の為に必要な資金を不特定多数の人から集める方法のことで、日本でいうと、「Campfire」や「Grow!」が有名ですね!
日本からでもバッカー(出資者)になることができるので、興味のある製品とかあれば出資することもできます。
オリジナルアニメ「Kick-Heart」
今回、Kickstarterで出資を募っているのは、「Kick-Heart」という短編のプロレスアニメです。監督は、「四畳半神話大系」や「マインド・ゲーム」で知られる湯浅政明で、プロジェクト・コンサルタントは押井守が務めるそう。すごいメンツ・・・・
目標金額は15万ドルで、10月1日から募集開始したのにも関わらず、現時点(2012年10月4日現在)でなんと約6万5千ドルも集まっており、バッカーは800人越えです。4日でこれだけの額が、しかも海外で集まるということは、それだけこのアニメに期待している人が世界にたくさんいるということなんですよね。(まあ日本人もいると思いますが)
勿論、出資したバッカーには金額に応じての恩恵があり、一番高い額である1万ドルの出資者は、Webサイトや作品へのクレジット掲載やProduction I.G社内のプライベートツアーに加え、湯浅監督や押井守とディナーができるという致せり尽くせりな内容。ファンにとってはたまらないですね!
詳しくは募集ページに記載されている(英語です)おり、5ドルからの出資が可能ですので、興味のある方は是非出資してみてはどうでしょうか?
今後のアニメ制作の在り方
今回のこのプロジェクトは、アニメ制作における新しいスタイルを確立してて、そしてこれからどんどん増えるのかなーと思いました。というか増えてほしい・・
募集ページの動画で湯浅監督が言っていた言葉はすごく印象に残りました。
「やっぱり自分で僕が面白い!と思ったものを作りたいので、前にこういうのがあったから作ってくれというオーダーではなくて、スポンサーが本当は面白い!と思ってお金を出して欲しい」
アニメに限らず、アニメ制作会社は、製作会社の発注通りに作品を仕上げたり、またスポンサーの意見なども入ってきたりと、必ずしも自由にアニメが作れるわけではないですよね。(まあアニメに限らないですが)
制作会社が、面白い!と思っても、それがボツになる可能性だってあるわけです。
でも、この企画においては、バッカーの人たちはこの作品に対して純粋に「本当に面白い!観たい!応援しよう!」と思ったから出資をしたわけです。
普通は完成したアニメがあって、それが面白ければファンはBDやグッズを買うという、いわゆる「後払い」ですが、今回の場合は「前払い」という、出資者にとってはリスクもあります。
それでもお金を払う人たちは、そのリスクを背負ってまでお金を払うわけなので、普通より完成した時の愛情が違うし、当事者意識も生まれると思います。
アニメが完成した後も応援し続けるでしょうし、消費もしますよね。
どっちのほうが儲かるのかという観点でいえば、どっちがどっちとも言えないかもしれません。
けど、あくまでも僕個人の意見ですが、今回のような、”ファンありき”でアニメを制作すると、もっと面白いアニメがたくさん出てきそうだなあとは思ったりもします。
どちらにしろ、今後の「Kick-Heart」も要チェックです!
Masaaki Yuasa's "Kick-Heart" by Production I.G — Kickstarter
追記(2012/10/26)
どうやら、目標金額である15万ドルを突破したようです!
15万ドルにたどり着きました!!!ありがとう!!“ヽ(´▽`)ノ”
— kick-heart (@kick_heart) 2012, 10月 25
目標額突破!!
やった!!ありがとう!!!
— 湯浅政明 (@masaakiyuasa) 2012, 10月 25